2013年8月31日土曜日

マテリアル(1)

マテリアルの構成

マテリアルについてあまり実戦的なヘルプがないので、これから数回にわたって「マテリアル」について解説していきます。
Revitのマテリアルはアセットと呼ばれる要素(グラフィックス・外観・材質・断熱)のセットのことです。グラフィックスは基本アセットなので必ず必要です。
マテリアルの構成
レンダリングなどの画像を作るために必要なアセットは「外観」です。外観アセットを自由に作成できれば思いのままのレンダリング画像を作成することができます。

タイルの外観アセットを作ってみよう!

インターネットには様々な材料の画像があります。まずは簡単に外壁タイルのマテリアルをつくる手順を説明します。

画像を取得する

INAXのサイトには様々な商品のマッピング用画像を自由にダウンロードできる実にすばらしいサービスがあります。
http://www.biz-lixil.com/prod_data/photo/category.php?class_1=88&code=3
この中から任意の画像をダウンロードします。
INAXのマッピング画像ダウンロードサイト
この画像を特定のフォルダに保存します。このフォルダは任意に決められるのですが、いつも同じフォルダに保存するようにしましょう。ここではC:\Materialsに保存することにします。

Revitにパスを通す

画像を保存したフォルダをRevitに登録します。
アプリケーションメニュー(メニュー左端の「R」マーク)からオプションを選択し、レンダリングをクリックします。
「+」をクリックし、画像を保存したパスを追加する。
次に「+」をクリックし、マッピング画像を保存したパス(ここではC:\Materials)を追加します。

マテリアルを新規作成

[管理]タブ-[設定]パネル-[マテリアル]でマテリアルブラウザを表示します。
マテリアル
新しいマテリアルを作成するには、マテリアルブラウザの左下にある○に+のボタンを押し、[新しいマテリアルを作成]を選びます。
新しいマテリアルを作成
そうすると”既定「マテリアルを新規作成」”という、ちょっと変な名前のマテリアルが作成されます。
新しいマテリアルが追加された

ここには「アイデンティティ」「グラフィックス」「外観」という三つのタブがあります。まず、「アイデンティティ」のタブをクリックし、このマテリアルの名前を任意に決定します。このブログでは「外壁タイルA」とします。
名前とクラスを設定

左側のリストも名前が変更されます。クラスには一般的な名称(たとえばタイル)を設定しておけば、リストをフィルタリングするときに便利です。
クラスを使ってマテリアルをフィルタリングすることができる

次回からはいよいよ外観の設定方法についてご説明します。

2013年8月17日土曜日

断面図(4)~垂れ壁や梁型

垂直の天井は作成できない

垂れ壁や梁型などを作成する場合、垂直な天井が作成できないため、壁で作成することになります。手順を間違えなければそれほど面倒な作業ではありません。

まずは、天井と同じレイヤをもつ壁タイプを登録します。このとき、厚さだけでなくマテリアルも同じにします。
天井の構成

垂れ壁の構成
次に天井を上下に二枚作成します。基準となる天井を作成し、それを複製して高さを調節するとよいでしょう。
天井を上下に2枚作成する

天井伏図か平面図で適切な位置に(1)で作成した壁を立てます。
高さは気にせず垂れ壁を作成する

壁位置を参照しながら天井のスケッチラインを編集します。上の天井と下の天井で垂れ壁をサンドイッチするようにします。
上の天井は垂れ壁の外側まで
下の天井は垂れ壁の内側まで

壁を上下の天井にアタッチします。アタッチすることで垂れ壁が上下の天井の高さの変更に追随します。
垂れ壁の上下を天井にアタッチし、結合する

最後に上下の天井と垂れ壁を結合します。
梁型の完成

さらに詳しく

垂れ壁を簡単に作成する方法を紹介しましたが、この方法で作成すると、断面図を詳細モードにすると次の図のようになり、仕上の石膏ボードがきちんと回っていないことがわかります。
石膏ボードのおさまりが変!?

ここを丁寧に作成したい場合は、垂れ壁の下端をアタッチではなく、下側の天井の石膏ボードの上端まで(図の赤矢印の位置)とします。
垂れ壁の下端の位置

そして、下側の天井と結合したうえで、「結合順序を切り替え」を実行します。
完成した詳細
ここまで丁寧にモデリングを行うことは、設計の初期段階では必要ないとは思いますが、モデルを丁寧に作ればつくるほど、図面はきれいになります。

2013年8月8日木曜日

断面図(3)~見え掛りはいらない

見え掛りを非表示にする


断面図の見え掛りを非表示にしたい、という話をよく耳にしますが、実際そうでしょうか?単純に投影線をなくせばよいのであれば実に簡単なことで、方法は二つあります。

  1. 終了クリップオフセットの値を小さくする
  2. すべてのカテゴリとサブカテゴリの投影/サーフェス線種を背景色(白)に、パターンを非表示にする。

いずれかを実行すれば見え掛りは非表示となりますが、このままでは何か変ですね。
見え掛りをすべて「白」にした断面図

表示したい見え掛りもある

一般に言われている「断面図」とは平面図以上に恣意的な図面で、見え掛りはいらないといいながらも、部分的には見せたい見え掛りがかなり多くあります。こうした原則に合わない表現は、ひとつひとつ設定していくしかないわけです。

例えば外壁の窓ですが、窓本体の断面は表示されていますが、壁の切断面を表示したいのであれば、窓が取りついている壁を選択し、右クリック-[ビューの要素で上書き]-[要素別]を選び、壁の投影線の色を黒にします。
壁の投影線の色を「黒」にする

さらに、窓を選択し同様に[サーフェスの透過性]を100%とします。
窓のサーフェスの透過性を100%
この設定をほかの窓とドアに行うと、次の図のようになります。
開口部が表示された断面図

一旦すべての見え掛りを白にしておき、部分的に表示したい立面があれば、要素別に上書きして黒色に戻す、つまり「あぶり出し」の要領です。

さらに、地面のパターンは常に見え掛りなので、投影/サーフェスのパターンを表示に戻しましょう。また、バルコニーの手すりは要素を上書きして投影/サーフェスの線種を黒にすると
完成した断面図

という断面図が出来上がります。

ただ、こんなに手間をかけて見え掛りを非表示にするぐらいならば、もっとBIM世代にふさわしい断面図のあり方を考えたほうがよいのではないでしょうか?

見え掛りが必要ないという理由


見え掛りが必要ないという理由は主に「断面をはっきり見せたいから」であり、見え掛りがあるとごちゃごちゃして、断面図として表現したいことが表現できないからだと思います。とすれば、次のような考え方はいかがでしょう?

  • 見え掛りは目立たないようにグレー
  • 注釈類の文字の背景は不透明

この考え方で作成した断面図が次の図です。
背景はグレー、注釈は不透明で作成した断面図
これならば、単にビューテンプレートを作成し、適用するだけですから、作成の効率は飛躍的に向上します。いかがでしょうか?