2026年8月15日土曜日

Vulkanへの対応

Revit2027.2 新機能

Revit2027.2で グラフィック描画機能にちょっと注目すべき改善が入りました。Vulkanの採用です。


Autodesk Revit 2027 ヘルプ | アクセラレーテッド ビュー用の Vulkan ベースのグラフィックス エンジン オプション | Autodesk

いままで描画はOpenGLが使用されてきましたが、ここにきてAutodeskもOpenGLの限界とRevitモデルの巨大化を見据えて、Vulkanへの対応を始めたというところではないでしょうか?

Vulkanって何?

簡単に言うと、Vulkan(バルカン) は OpenGL の後継とも言える、高性能な3DグラフィックスAPIです。

これまで Revit の一部のグラフィックス処理では OpenGL が利用されていました。OpenGLは1992年に登場した非常に歴史の長い規格で、CADやシミュレーションなどで30年以上使われてきました。しかし

  • CPUへの負荷が大きい
  • マルチコアCPUを十分活用できない
  • GPU性能を引き出しにくい

という課題があります。

Vulkanは2016年に公開された次世代のグラフィックスAPIです。OpenGLを策定していた Khronos Group が開発したもので、OpenGLの欠点を改善しています。

特徴は

  • CPU負荷が小さい
  • GPUを直接効率よく制御できる
  • マルチスレッド対応
  • 高速描画
  • 大規模モデルに強い

という点です。Vulkanを採用することで、

  • モデル回転
  • パン
  • ズーム
  • 断面更新

などが滑らかになることが期待されます。要するに、

高性能価なグラボの恩恵を享受できるようになる可能性がある

ということです。画面更新をGPUに負担させることでCPUへの負荷を下げて、より効率的なデータ処理がなされるようになるはずです。

Vulkanを有効にするには?

現時点ではVulkanに関する特別なユーザーインターフェイスはなく、Revit.iniを直接修正するしかありません。といっても簡単なものです。

Revit.iniをみつけよう

Revit.iniはAppDataフォルダにあります。以下の一文をエクスプローラのアドレスバーに張り付ければすぐに見つかります。(一度はRevit2027を起動する必要があります。)

%APPDATA%\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2027

このフォルダ内のRevit.ini(拡張子が表示されていない場合は種類が「構成設定」になっているRevitという名前のファイルです)をメモ帳で編集するのですが、念のためにコピーを取っておきましょう。

Revit.iniをメモ帳で開き、[Graphics]セクションを検索します。そして[Graphics]セクションに

EnableAcceleratedRevitGraphicsVulkan = 1

の1行を追加します。
Revit.iniに追記

そして上書き保存し、Revit2027を起動します。

機能しているか確認

Revitを起動したら、何らかのファイルを開き3Dビューを表示し、アクセラレーテッドグラフィックスをオンにします。
3Dビューを開き、アクセラレーテッドグラフィックスをオンにする

そしてジャーナルファイルを確認しましょう。ジャーナルファイルは次の位置にあります。これもこの文字列をエクスプローラのアドレスバーに張り付けて移動してください。

%LOCALAPPDATA%\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2027\Journals

そして日付で降順に並べ替えて、最新のジャーナルファイルをメモ帳で開きます。次のような文が見つかればVulkanが機能している証拠です。

0:< ARG Configuration:
0:< Mode: Vulkan Hardware
0:<Hardware Acceleration: ON
ジャーナルファイルを確認しよう

Vulkanへの対応からみえること

Revitはざっくりいうと「計算70%、描画30%」のソフトです。Vulkanを採用することで主に描画部分が高性能化されるので、全体としては体感できるほどの効果は得られにくいかもしれません。
しかしながら、このVulkanへの対応はAutodeskがまだRevitのベース機能の改善をあきらめたわけではない、という姿勢を示していると私は考えています。Vulkanへの対応と一口で言っても簡単なことではありません。多くのリソースを割いてVulkanへの対応を始めた、という事実が重要で、将来はよりサクサク動くRevitが実現するかもしれません。

2026年8月8日土曜日

例によるタグ付け

Revit2027.2新機能

Revit2027が 2027.2にバージョンアップされて「例によるタグ付け」というとても便利な機能が実装されましたので紹介します。

手順1:お手本を作る

「例による」というぐらいなので、お手本となるようなタグを配置します。いくつでも構いません。次の図はサンプル構造.rvtの伏図で、符号とレベルの二つのタグを配置した例です。

"符号"を表示するタグと"レベル"を表示するタグ

これをお手本として他の構造フレームにもタグを作成します。

手順2:お手本を選択する

注釈タブ>タグパネル>タグ▼>例によるタグ付け

例によるタグ付け

「お手本」として作成した2つのタグを選択して"ENTER"

手順3:タグ付けする要素を選択する

お手本同様にタグ付けをする要素を選択します。CTRLキーで追加、SHIFTキーで除外できます。

お手本(黒表示)に倣って、選択した要素にタグ(緑色)が作成されます。CTRLキーを押しながらクリックすると追加され、SHIFTキーを押しながら選択すると除外されます。

選択が終了したら、修正|例によるタグ付けタブ>モードパネル>終了 で確定します。


この機能を使えば大幅にタグ付けの手間を削減することができますね!


2026年7月25日土曜日

要素の一致とは?

ルールベースの番号付けのオプション

Revit2027で登場した「ルールベースの番号付け」のオプション項目の一つに「要素の一致」があります。これは

  • 指定した条件が一致したら同じ番号をふる

というオプションです。実際に使ってその働きを見てみます。

ジオメトリの一致

カーテンパネルの「マーク」に番号付けをしてみます。形状が一致しているパネルには同じ番号を振ります。次のようなカーテンウォールを作成し、パネルとしてシステムパネル:ガラスを割り当てました。

すべて「システムパネル:ガラス」

まず、カーテンパネルを選択するフィルタを作成し、番号付けパラメータに「マーク」を指定します。


この時点では次のようになります。

全てのカーテンパネルに異なる番号


次に、要素の一致の[編集]ボタンをクリックし、一致(要素ジオメトリ値別)にチェックを入れます。
要素(ジオメトリ別)に✔

するとジオメトリ(幾何学図形)の形状が一致しているカーテンパネルには同じ番号が振られます。

形状が一致している要素には同じ番号が振られる

パラメータの一致

一部のパネルを選択して、システムパネル:ガラスを複製した、システムパネル:ガラス2に変更しても、聞か形状が一致していれば番号は変わりません。

ハイライトされたパネルが「システムパネル:ガラス2」

そこで一致条件にタイプパラメータの値を追加してみます。番号付けオプションダイアログボックスで要素の一致の編集ボタンをクリックします。

一致(パラメータ値別)にチェックを入れて、ファミリとタイプを追加します。

ファミリとタイプを条件に追加

すると、タイプの異なる2要素は異なる番号が振られます。

タイプが異なれば形状が同じでも異なる番号が振られる

2026年7月18日土曜日

ルールベースの番号付け

ルールベースの番号付けの基礎

Revit2027で導入された「ルールベースの番号付け」の機能を使ってみましょう。少々めんどくさそうに見えますが、コンセプトを理解すればいろいろと応用が考えられます。基本的な手順は

  1. 番号付け対象の絞り込み)
  2. パーティショニング(番号のグルーピング)
  3. 書式設定
  4. 実行

という流れです。

例:部屋の番号をレベルごとに設定する

サンプル意匠を使って、部屋番号をレベルごとに設定してみましょう。

手順1:番号付け対象の絞り込み(フィルタの作成)

番号付けする対象を絞り込むためのフィルタを作成します。対象は部屋のカテゴリで配置されているものだけ、つまり面積>0㎡とします。

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. [+]ボタンをクリックして、ルールの名前を設定します。ここでは「部屋番号」とします。
    ルールの名前を設定

  3. 番号付けルール>スコープ>フィルタの[フィルタ]ボタンをクリック
  4. 名前:部屋、カテゴリ:部屋、規則:面積が0より大きい でフィルタを作成しOK。
    フィルタを作成

  5. フィルタで作成した「部屋」を選択
  6. 番号付けパラメータで「番号」を選択。これにより、作成した番号が部屋のインスタンスパラメータ「番号」に設定されます。
    フィルタと番号付けパラメータの設定

手順2:パーティショニング

パーティショニングとは番号付けのグループです。今回はレベルごとに番号をリセットする、つまり1FLは101~、2FLは201~、というようにレベルごとに番号を振りなおすので、パーティショニングの基準として「レベル」を指定します。
パーティショニングの設定

手順3:書式設定

1FLで101~ということは「数字で3桁」に設定します。
書式の設定

手順4:実行

設定が完了したので、番号付けを実行しますが、パーティショニングを設定したので、[適用}→[パーティショニングの番号設定]→[OK]のステップで行います。
  1. [適用]ボタンを押します。ボタンを押す直前まで[番号付け順序]のボタンが非アクティブであることを確認してください。
    適用をクリック

  2. [番号付け順序]ボタンがアクティブになりますのでクリックします。
  3. レベル1の開始値を101に、レベル2の開始値を201に設定してOK。
    各パーティションの開始値を設定

  4. OK
これで各レベルごとに部屋の番号が設定されます。

番号付け

番号付けは常駐型である

このルールベースの番号付けは単に番号付けして終り、というものではなく常駐型の機能であり、要素の追加、削除に応じて番号を設定します。(だから注釈タブではなく管理タブにあるのです。)

要素の追加

次のように部屋を追加すると、動的に部屋番号が設定されます。

追加した部屋に番号が設定される

要素の削除

部屋を削除すると、欠番になります。

部屋を削除すると欠番が発生する

欠番の解消

欠番はRevitでは「ギャップ」と呼んでいます。これをリナンバーすることもできます。

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. テンプレートリストから「部屋番号」を選択し、[番号付け順序]のボタンをクリック。
    • [使用中]の番号の中に「*」が付いたパーティションはギャップ(=欠番)があることを示しています。
      *は欠番があることを示している

  3. ギャップありのパーティションをクリックし、[ギャップを削除]ボタンをクリック

  4. OK→OKでダイアログボックスを閉じます。
これで欠番以降が繰り上がって、欠番が解消されます。
ギャップ(欠番)が解消される

番号付けの一時解除

ここまで見てきたように、番号付けルールは常駐型です。これを一時的に解除したい場合は・・・

  1. 管理タブ>設定パネル>番号付け
  2. テンプレートリストから「部屋番号」を選択し、有効化のチェックを外します。
有効化のチェックを外す

2026年7月11日土曜日

特定のマテリアルだけ転送

プロジェクト標準転送は便利だけど・・・

 管理タブ>設定パネル>プロジェクト標準を転送を使って、いろいろなファミリタイプや設定を他のプロジェクトから転送できます。マテリアルだってもちろん転送可能なのですが、

プロジェクト標準を転送でマテリアルを転送する

この場合、コピー元のプロジェクトにあるすべてのマテリアルが転送されてしまいます。特定のマテリアルだけ転送したい場合はどうすればいいでしょうか?

マテリアルライブラリ

こんな場合は独自のマテリアルライブラリを作れば、目的のマテリアルのみをコピーすることができます。

マテリアルライブラリの作成手順

  1. コピー元のプロジェクト、ファミリファイルを開く
  2. 管理タブ>設定パネル>マテリアル でマテリアルブラウザを開く
  3. マテリアルブラウザ左下のフォルダのアイコンをクリックし、[新規ライブラリを作成]を選択。
    新規ライブラリを作成

  4. 適切なフォルダを選択し、ファイル名を付けて保存する。(ここではMyマテリアルライブラリとした)
  5. 転送したいマテリアルを右クリック>追加先>(作成したライブラリ名)を選択
    作成したライブラリにマテリアルを追加

  6. 同じ手順を繰り返して転送したいマテリアルをライブラリに追加する。
    画面左下のライブラリのリストで確認できる

  7. OK

マテリアルをインポートする

  1. コピー先のプロジェクト、ファミリファイルを開く。
  2. 管理タブ>設定パネル>マテリアル でマテリアルブラウザを開く
  3. マテリアルブラウザ左下でホーム>Myマテリアルライブラリを選択
    マテリアルライブラリを選択

  4. ライブラリ内のマテリアルを選択し↑でプロジェクトにマテリアルを追加する。
    マテリアルをドキュメントに追加

これで特定のマテリアルだけを転送できます。今回はマテリアルライブラリを作成しましたが、同一PC内で転送を行う場合は、ライブラリを作らなくても「お気に入り」を利用することもできます。マテリアルライブラリにしておけば、異なるPC間でもマテリアルの転送が可能になります。その場合は、作成したマテリアルライブラリファイルを目的のPCにコピーしたあとに、マテリアルブラウザの[既存を開く]を利用してマテリアルライブラリを開きます。
マテリアルライブラリファイルを指定する場合

2026年6月20日土曜日

複数行の入力

EXCELが最適

文字型のパラメータに複数行の値を入力するときは、Excelを使うと簡単です。 早速やってきましょう。

例えばサンプル意匠の2階の平面図、ELVホールのエレベータかごに

11人乗

105m/min

のように、複数行の情報を「説明」に設定して表示したいとします。この場合Excelを立ち上げて、任意のセルに「ALT+ENTER」で改行して文字列を入力します。

Excelのセル内改行は"ALT+ENTER"

セルをアクティブにして、文字をクリップボードにコピーします。

セルをアクティブにし、すべての文字を選択してCTRL+C

Revitでエレベータのかごを選択し、タイプ編集をおして、説明にペーストします。

説明など文字型のパラメータにペースト

これで、集計表やタグで改行した状態で表示できます。

複数行のパラメータ値が表示できる


2026年6月13日土曜日

IfcSpaceは使えるぞ!

Formaでは表示されない部屋の属性

RVTデータをFormaにアップロードしてビューアで見るとき、いつも困るのが「部屋」の情報が一切表示されないことです。部屋には仕上の情報その他、重要な属性が含まれているのになぜかFormaで表示することはできません。

ところがIFCに変換してFormaで閲覧すると、部屋の情報をIfcSpaceとして部屋形状と属性を出力・表示することができるのです。

サンプル意匠.rvtを使って、早速やってみましょう。

手順1:Pset集計表の作成

まず、出力用の集計表を作成します。

部屋カテゴリ、名前を"Pset_仕上表"として、次のフィールドを追加します。

仕上情報として出力したいフィールドを追加する

並べ替えは特に必要ありませんが、一応レベル、番号の順にしておきます。

並べ替えは必須ではありません。
重要なのは「書式」タブの「見出し」です。この「見出し」がIfcSpaceのプロパティ名となります。見出しが重複しないように一意の名前を付けてください。

見出し名=プロパティ名

OKして出来上がった集計表を確認してください。

手順2:IFCに出力する

2026までは、IFC出力設定の「プロパティセット」タブで、

  • 集計表をプロパティセットとして書き出し
  • タイトルにIFC、Pset、Commonが含まれる集計表のみを書き出し

にチェックを入れます。

~v2026

Revit2027では、プロパティマッピングの[...]ボタンで、任意の集計表を直接指定します。また、プロパティ名もこのダイアログボックスで編集することができます。

v2027のプロパティマッピング

エリアは出力しない

IfcSpaceには部屋のほかにエリアと、設備のスペースが含まれます。エリアとスペースを出力しないようにしておくことがポイントです。

IFC出力設定の[一般]タブのカテゴリマッピングの[...]を押して、

意匠モデルではエリアとスペースのチェックを外しておきます。MEPモデルでは部屋とエリアのチェックを外すとよいでしょう。

意匠ではエリアとスペースは出力しない
MEPでは部屋とエリアを出力しない

Formaで見てみる

この状態で作成したIFCをFormaにアップロードしてビューアで表示し、モデルブラウザを見てみると、ちょっとわかりにくいですが部屋のプロパティが表示されます。

FormaでSpaceが表示される

BIMvisionで見てみる

BIMvisionで見るともっとわかりやすいです。

BIMvisionでの部屋の表示

IFCを活用すれば、部屋の情報をビューアで直接読み取ることが可能になります。