自在継手を作る!
ネグロス電工の「上下自在継ぎ金具(ボンディング省略タイプ)」というケーブルラックの接手を作ってみよう!と思い立って、いろいろ継ぎ手について調べてみたら、配管やダクトの接手とは少々異なる設定が必要だとわかったので、ここに記しておきます。
ファミリテンプレートは何を使う?
ケーブルラック接手そのものを指定したファミリテンプレートはないので、「一般モデル(メートル単位).rft」を指定してファミリファイルを作成します。
- ファイル>新規作成>ファミリ で一般モデル(メートル単位).rftを選択
- 作成タブ>プロパティパネル>ファミリカテゴリとパラメータ
- カテゴリ:ケーブルラック継手
- パーツタイプ:チャネル垂直エルボ
- 作成タブ>プロパティパネル>ファミリタイプ
- 継手用の組み込みパラメータが設定されていることを確認する
- パーツタイプをはしご垂直エルボにすると組み込みパラメータは異なる。
- これらのパラメータはシステム側から与えられる情報であり、継手ファミリはこれらの値を「指定」するのではなく「利用」すると考えてください。
|
図A チャネル垂直エルボの組み込みパラメータ |
予備知識として。。。
|
図B |
継手ファミリの挿入基点
継手ファミリの挿入基点(「基準点を設定」が✔されている参照面の交点)は、二つのケーブルラックのコネクタ(図BのAおよびB)の延長線の交点(図Bの点O)です。
継手ファミリの角度
組み込みパラメータ以外に重要なパラメータがコネクタにはあります。それは接続したい二つのケーブルラック同士の角度です。角度といっても、なす角ではなく図Bの角度θの値で、この値をケーブルラックコネクタの「角度」にマッピングする必要があります。
自在接手の特徴
自在接手は図Cのように、継手ファミリの原点からコネクタまでの距離が (240-75-75)÷2=45で一定になります。つまり図BでいうとOA=OB=45mmということになります。
|
図C ネグロス電工HPより |
プロファイルの準備
コネクタを配置するフォームが必要です。ケーブルラックと同じ断面をもつスイープを作成するために次の図Dのようなプロファイルを作成し、ファミリファイルにロードしておきましょう。垂直エルボ用なので高さと幅のパラメータの設定位置に注目してください。
ファミリの名前を「プロファイル_ケーブルラック_垂直エルボ」とします。
|
図D 幅と高さのパラメータの位置に注目 |
作成手順
パラメータの準備
作成タブ>プロパティパネル>ファミリタイプでケーブルラックの「幅」と「高さ」を示す長さのインスタンスパラメータ、および接続角度(図Bのθ)を示す角度型のインスタンスパラメータ「角度」を作成しておきます。
|
図E インスタンスパラメータ「幅」「高さ」「角度」 |
メイン側コネクタ
メイン側のコネクタはX軸上左側の固定された位置(図BのAの位置)に作成します。作成したプロファイル「プロファイル_ケーブルラック_垂直エルボ」を使用して、長さ45mmのスイープを作成します。
次に作成タブ>コネクタパネル>ケーブルラックコネクタ で、左側の側面にコネクタを配置します。
|
図F スイープを作成してコネクタを配置 |
プロファイルのパラメータを関連付ける
プロジェクトブラウザ>ファミリ>プロファイルで作成したプロファイルのタイプ名をダブルクリックしタイププロパティダイアログボックスを表示し、幅と高さのパラメータをそれぞれ「幅」と「高さ」に関連付けます。
|
図G プロファイルの幅と高さを関連付ける |
コネクタのパラメータを関連付ける
コネクタを選択し、角度、高さ、幅のパラメータを関連付けます。このとき高さを幅に、幅を高さに関連付けます。これは垂直エルボの特徴の一つです。
|
図H 幅→高さ、高さ→幅に関連付ける |
サブ側コネクタ
サブ側のコネクタは、回転する必要があります。点Oを中心にコネクタを取り付けるフォームを回転させるので、スイープのパスの拘束が重要になります。